教育方針

副学院長挨拶

「桜に見える、輝く個性」

 ある日、名の通った堤で桜祭りをやるというチラシが届いたので、家族で行ってみようと誘ってみました。ふたつ返事でOKが出て、息子家族を含めて7人で出かけることにしました。自分にも、この季節に花を愛でる心が宿っていたのかということで、少しだけ嬉しくなっていました。

 会場に着いて、孫たちを含めみんなそれぞれに「綺麗、素敵」と発していましたが、自分には、「おやっ」と思うことがありました。それは、桜並木に何十本もの立派な樹が立ち誇っていますが、よく見ると、一本一本枝ぶりは違うし、咲き具合も違う。桜並木で一括りにしてしまえば綺麗な桜ということになりますが、それぞれ一本ずつが何かを主張しているように見えました。

 建物が途切れたところからは、枝が左から右に流れている。「何十年も同じ方向から風を受けてきたんだよ。」と言っています。またある樹は、下の方の太い枝が朽ちていて花を一輪もつけていません。悲しげに「痛いよう。」と言っています。成長過程で、何かしらのトラブルがあったのでしょう。根の病気にかかったかもしれません。人為的なことがあったかもしれません。人で言えば、手術が必要な状況です。それでも懸命に生き抜いていることが見て取れます。そういう中で、健康優良児とも言える、素晴らしい枝ぶりの樹も、しっかり自分を主張していました。

 こういう目で見てみると、秋の銀杏並木も同じことが言えます。全体で見ると、綺麗な黄葉の風景ですが、一本一本見ると、微妙に色のつき方にずれがあり、1年間の成長過程が異なることを表しています。

 小学部の子どもたちを見ても、一人一人様々な個性をもち、しっかりと主張しています。文字がとてもきれいな子、絵を描かせたら右に出る者がいない子、走らせたら誰もかなわない俊足の子など、あげたらきりがありません。どの子もみんなよいところがあります。そこを見逃さない目を大人は持たなければならないのだと思います。

 新しい学習指導要領が2020年から施行されますが、本年度は最後の移行年度になります。その新学習指導要領の前文のまとめの部分に、「児童が学ぶことの意義を実感できる環境を整え、一人一人の資質・能力を伸ばせるようにしていくことは、教職員をはじめとする学校関係者はもとより、家庭や地域の人々も含め、様々な立場から児童や学校に関わる全ての大人に期待される役割である」とされています。

 子どもたちは、それぞれの環境で育っていますので、当然個性も異なります。しかし、その個性は、堤で見た桜のように全て輝いていますので、さらにその輝きに磨きをかけるために、本学院の教えの二本の柱「智慧と慈悲」、三大目標である「敬虔、勤労、高雅」の心を大切にし、生き生きと学ぶ、健やかな子どもたちの育成に努めてまいります。本年度もご支援、ご協力のほどをよろしくお願いいたします。

小学部副学院長 押田敏郎

教育方針

人として、女性として。
大切な根っこを、6年間で築き上げる。

小学部の6年間は知性や情緒の基礎を形成する大事な時期です。
知る喜び、学ぶ楽しさを感じ、より主体的に行動できる環境を整えています。
また、仏教の教えを通して、感謝の心や思いやり、謙虚な心を養います。