中学部

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薬害についての講演会

投稿日2020/2/5


1月28日、薬害について学ぶ講演会を中学部3年生対象に行いました。薬害については中3の保健や社会科(公民)で学ぶのですが、その理解をさらに深めるために開催したものです。あわせて、弁護士の仕事について紹介してもらうことも目的の1つです。

5年目となる今回、本学院卒業生である加藤弁護士と薬害肝炎被害者の女性(神谷様)に90分の講演をしていただきました。生徒たちは『薬害を学ぼう』(厚生労働省発行)というパンフレットを参考にしながら、講演に臨みました。


 加藤氏からは、最初に弁護士の仕事についてスライドを使って説明していただきました。裁判所の傍聴に行って検察官になりたいと思ったことが法曹に携わるきっかけになったこと、法廷ドラマの弁護士像とは必ずしも一致しない「地味」な仕事が様々にあること、今日の講演は「公益活動」の1つであることなど、弁護士について色々とわかりやすく学ぶことができました。続いて、薬害肝炎訴訟の事例を通して、①命・健康の大切さ、②薬の正しい使い方、などを学びました。「薬害と副作用の違い」「薬害の歴史」など薬害に関する基本事項の説明を受け、薬害肝炎訴訟の動きをまとめたDVDを観ました。薬害というと「危険ドラッグ」のイメージを持ちがちな生徒にとって、しっかりとした知識を得ることができました。


さらに、ご自身の出産時の医療行為によって薬害肝炎被害者となってしまった神谷さんから具体的なお話がありました。出産時の状況、肝炎と診断された後の病院の冷たい対応とその後の変化など、原告団に参加されるまでの動きと病状の変化などを語ってくださいました。当時の状況を思い出し、時に涙ぐみながら語ってくださった神谷さんのお話は、生徒にとって大いに訴えかけるものがありました。

 講演後、生徒たちは簡単な感想文を書きました。涙ながらに体験を語ってくださった神谷さんの話が特別印象に残った生徒が多く、薬害の仕組みや歴史について知ることの重要性、国の対応や差別への憤り、正しい情報を得て自分の力で判断することの大切さなどについても、多くの生徒が言及していました。